Home > 医学生・研修医向け情報 > 初期研修案内 > 研修プログラム > 2012年度 臨床研修プログラム > 選択必修科研修(3.産婦人科研修)
2011.4.28 京都民医連中央病院臨床研修部
研修期間は1.5ヶ月とする。
【一般目標(GIO)】
【行動目標(SBOs)】
1. 経験すべき診察法・検査・手技
(1)基本的産婦人科診療能力
1)問診及び病歴の記載:問題解決志向型病歴(POMR)を作る
2)産婦人科診察法:産婦人科診療に必要な基本的態度・技能を身につける
(2)基本的産婦人科臨床検査~実施・評価・患者への説明・妊産褥婦には禁忌かどうか
1) 婦人科内分泌検査
2) 不妊検査
3) 妊娠の診断
4) 感染症の検査
5) 細胞診・病理組織検査(採取法も併せて経験する)
6) 内視鏡検査
7) 超音波検査
8) 放射線学的検査
*1:必ずしも受け持ち症例でなくともよいが、自ら実施し、結果を評価できる。
*2:できるだけ自ら経験し、その結果を評価できること、すなわち受け持ち患者の検査として診療に活用すること。
(3)基本的治療法
薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱薬、麻薬を含む) ができる。ここでは特に妊産褥婦ならびに新生児に対する投薬の問題、治療をする上での制限等について学ばなければならない。薬剤の殆どの添付文書には催奇形性の有無、妊産褥婦への投薬時の注意等が記載されており、薬剤の胎児への影響を無視した投薬は許されない。胎児の器官形成と臨界期、薬剤の投与の可否、投与量等に関する特殊性を理解することは全ての医師に必要不可欠なことである。
1) 処方箋の発行
2) 注射の施行
3) 副作用の評価ならびに対応
2. 経験すべき症状・病態・疾患
(1)頻度の高い症状
1) 腹痛 *3
2) 腰痛 *3
*3:自ら経験、すなわち自ら診療し、鑑別診断してレポートを提出する。
これらの症状を呈する産婦人科疾患には以下のようなものがある。
子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜炎、子宮傍結合組織炎、子宮留血腫、子宮留膿腫、月経困難症、子宮付属器炎、卵管留水症、卵管留膿症、卵巣子宮内膜症、卵巣過剰刺激症候群、排卵痛、骨盤腹膜炎、骨盤子宮内膜症があり、さらに妊娠に関連するものとして切迫流早産、常位胎盤早期剥離、切迫子宮破裂、陣痛などが知られている。
(2)緊急を要する症状・病態
1) 急性腹症 *4
*4:自ら経験、すなわち初期治療に参加すること。
急性腹症を呈する産婦人科関連疾患には子宮外妊娠、卵巣腫瘍茎捻転、卵巣出血などがある。
2) 流・早産および正期産(「経験が求められる疾患・病態」の項参照)
(3)経験が求められる疾患・病態(理解しなければならない基本的知識を含む)
1) 産科関係
◎到達目標は下記のようになる。
*5:4例以上を外来診療もしくは受け持ち医として経験し、うち1例については症例レポートを提出する。
*6:1例例以上を受け持ち医として経験する。
*7:自ら経験、すなわち初期治療に参加すること。レポートを作成し知識を整理する。
2) 婦人科関係
◎到達目標は下記のようになる。
*8:子宮の良性疾患ならびに卵巣の良性疾患のそれぞれについて受け持ち医として1例以上を経験し、それらのうちの1例についてレポ ートを作成し提出する。
*9:1例以上を外来診療もしくは受け持ち医として経験する。
3) その他
3. 産婦人科研修が1.5ヶ月間の場合
1 | 産科関係 ・妊娠の検査・診断 ・正常妊婦の外来管理 ・正常分娩第1期および第2期の管理 ・正常頭位分娩における児の娩出前後の管理 ・正常産褥の管理 ・正常新生児の管理 → 4例以上経験、1例症例レポート |
婦人科関係 ・婦人科良性腫瘍の診断並びに治療計画の立案 ・婦人科良性腫瘍の手術への第2助手としての参加 → 子宮・卵巣で各々2例以上経験、それらのうち1例症例レポート |
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2 | ・腹式帝王切開術の経験 ・流・早産の管理 →1例以上経験 |
・婦人科性器感染症の検査・診断、治療計画の立案 → 1例以上経験 |
3 | ・産科出血に対する応急処置法の理解 ・産科を受診した腹痛、腰痛を呈する患者、急性腹症の患者の管理 → できるだけレポート |
・婦人科悪性腫瘍の早期診断法の理解(見学) ・婦人科悪性腫瘍の手術への参加の経験 ・婦人科悪性腫瘍の集学的治療の理解(見学) |